【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
「彩子が闇に紛れた。でもあいつには、この結界は破れない」
「うん、信じてる……!」
「あぁ!」
紅緒がキッと、強い瞳で微笑んだ。
そして皆が戦う戦場の状況を一瞬で把握し、燃える刀を持って紅緒が走る。
「辰砂、珊瑚! 俺の援護をしろ!! まずはあの妖魔の内部から三人を救い出す……!」
「了解!」「はいよ☆」
巨大な袋のような醜い妖魔が、ベタベタとよだれを撒き散らしている。
しまいには側にいる小さな妖魔すら、喰い始めた。
「うぉおおおおおおお!!」
紅緒が踏み込むと一気に間合いが詰められ、向けられた牙と舌をも巻き込んで粉砕し、顔部分が吹き飛んだ。
そのまますぐに、首から腹へ目掛けて切り裂く。
「辰砂! 珊瑚! やれ!!」
袋に切れ目が入り、次に辰砂と珊瑚が避けた皮を左右にふっ飛ばすようにして斬りつけた。
内臓がひっくり返るようにして、妖魔が今まで飲み込み続けたものが一気に吹き出す!!
「出てきた!!」
人影が黒いヘドロのようなものにまみれて、ドサッと出てきた。
「行方不明の三人……!! 良かった!!」
ブランコの結界内から見ていた桃花も、ホッとする。
すぐに辰砂が持っていた聖水を顔にかけ、紅緒が浄化の術を施していた。
その間も柘榴は無数の敵を飛び跳ねるように斬り落とし、苺は上空の敵を撃ち落としている。
珊瑚は、茜を狙おうと動く妖魔を撃退していた。