【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
「桃花、今行く!」
ある程度の浄化を終えたのか、紅緒が桃花に叫んだ。
「紅緒くん! 私は大丈夫!!」
守ってくれる強い結界はまだ燃え盛っている。
しかし……。
キィン……!!!
「えっ?」
何かが結界を貫いた。
氷の弾丸――!!
結界の護符が凍りつき、飛散した。
炎が消える。
「くそ! 桃花!」
「邪魔が消えたぁ! シねぇえええええええええええええええ!!」
どこに潜んでいたのか、暗闇から半妖魔化した彩子が牙をむき出しにして、ブランコの前にいる桃花に襲いかかる!!
「桃花ぁあああ!!」
紅緒のオーラが燃え盛る!!
「あっ……」
紅緒の炎が、桃花を守るために迫る。
それが着火になったように、キィイイイイイイイイイン!! と金属音のような鳥の鳴き声がして桃花の周りに業火の炎が立ち上がった。
「ぎゃああああああああああああああああ!!」
桃花に噛みつこうとした彩子が、燃え上がる。
「桃花!」
「わ、私は大丈夫……! 彩子さんが!」
すぐに紅緒が桃花を背に守り、刀を構えるが彩子は燃え上がった炎を受けて苦しみ転がる。
この数十分のうちに妖魔化のスピードは紅緒の想像を超えていた。
「これは……8割妖魔化してる……すぐビルに収容してババの治療を……いやこの距離では間に合わないかっ!?」