【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
「いつ?」
「うーん。すぐにくる!」
「約束ね、べにおくん」
「うん、約束」
「べにおくん、大好き!」
「おれも、ももかが大好きだ!!」
小さな二人の精一杯の想いをこめた約束。
きっと紅緒は、約束を守ってくれたはず。
小さな手は、またすぐに繋がれたはずだった。
それなのに、二人を引き裂いたあの嵐。
雨の中必死で避難した山小屋を、襲ってきた妖魔達。
大好きな紅緒が、切り裂かれて血だらけで。
自分なんかどうなったっていいから、助けてって強く願った。
この世の邪悪を全て燃やし尽くしたくて、叫んだ。
心の奥、もっと違うどこか……。
自分の心臓なのに、違うどこかから、輝く美しい孔雀のような真っ赤に燃えた鳥が飛び出したのを覚えている……。
真っ暗な森が光に照らされて、一瞬で全ての妖魔が吹き飛んだ。
でも……また指切りげんまんをすることはできなかった。
笑顔を見ることも話をすることもできずに、二人は意識を失ったまま……記憶が消された。