【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~

 あやかし総長飛鳥紅緒の、花嫁になる。

 それは小さい頃の桃花が願った約束。
 今の桃花にとっても、きっと……。
 
「あ、あの……私も……紅緒くんを守れるように頑張るね」

「守られるだけじゃないって、桃花らしいな。ありがとう」

 正直、桃花の方が紅緒に不釣り合いだと思ってしまう。
 総長飛鳥の隣にいても笑われない存在になりたい。

「だから……傍にいさせてね?」

 少し恥ずかしくて、小声で言ってから紅緒を見た。

「……あんまり可愛いこと言うな……」

「ひゃっ?」

 熱のこもった瞳で紅緒に見つめられた桃花は、ドキッとしすぎて変な声が出た。
 
「返事はいいって言ったけどさ……桃花はいつも俺を(あお)るな……」
 
 頬に指が触れられた。

「紅緒くん……だって……」

「うん、わかってる……」

 再会から、たった数日でも桃花も紅緒のことを……。
 見つめ合った二人の顔が、自然に近づいた……。

 心臓がうるさいほど、ドキドキして唇が近づき……。
 二人の瞳が閉じて、更に近づく……。

「おーい!! 話し声聞こえたぞ! 起きたか地味子ぉ!!」

 バーン! と病室のドアが、開いた。
 柘榴に茜に珊瑚、辰砂に苺がなだれ込んでくる。
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