【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
「地味子、今日は俺が修行の後に迎えに行ってやるぞ」
何も聞いていなかったのか、パフェを食べ終えた柘榴が笑顔で桃花に言う。
「おい柘榴!? なんでお前が!?」
「え? なんとなく? だけどさ~。ただ地味子は性格はやっぱ地味だし、守ってやるなら俺が一緒にいてやってもいいかなって思うだけだぜ! 総長飛鳥! いいだろ?」
「いいだろって……よくねぇだろ!」
「え? なんで?」
柘榴は全くの、無自覚のようだ。
紅緒と桃花の関係にも、気付いていない。
「では、柘榴との帰宅後は姫が苦手だと言っていた英語を、個人授業で教えよう」
辰砂のメガネが光る。
「は? 辰砂……個人授業ってお前まで……」
「総長、悪いが姫の家庭教師は俺だ。彼女は俺達……俺にとっての姫でもある。姫、必ず次のテストでは総長を抜いた1位を目指そう」
「え!? えっと、あの……家庭教師はお願いしたいんですけど……」
桃花は慌ててしまう。
「桃花ちゃん、じゃあ明日の土曜日はデートしよ☆ 水族館でも映画でも! 惚れちゃいそうってマジだよ」
「えっえっ!? あの」
「おい珊瑚ふざけんなよ」
「頑張る桃花ちゃんに~結構胸キュンさせられちゃったんだよね☆そこは紅緒に、邪魔される筋合いないじゃん?」
いつもの軽いおふざけじゃないような視線を、珊瑚が向けた。
「ぐっ……珊瑚、おまえ……」
「お姉ちゃん! じゃあ日曜日は僕とスイーツ作りしない~?」
「苺くん、どうしたの急に」
「僕だって、可愛くて優しくて強くって、そんな不死鳥の巫女のお姉ちゃんが大好きだもん! 負けてたまるか!」
「い、苺!? お前まで!?」
「おやおや~桃は年下まで~面白くなってきたね」
キヒヒと楽しそうに茜が笑う。
「あ、茜ちゃん~」
「おい! いい加減にしろ、お前ら!! 桃花はなぁ! 俺の……!!」
「「「「「俺の?」」」」」