【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~

 仕事を昼間で終わらせて、帰ってきたお父さん。
 田舎の大きな一軒家の玄関から、猛スピードで桃花の部屋まで走ってきたらしい。

「無事に届いたぞ! 桃花は可愛すぎるからな、このダテ眼鏡をしなさい!」

「えええ!? なんでわざわざ!?」

「卒業前から伸ばした前髪も、ヘルメットみたいでいい具合に顔を隠してくれるな! いいぞ~! これとメガネで我が家の美少女は地味陰キャだ!」

「どうして、わざと地味陰キャにするのよーー!?」

 桃花にはよくわからないが、お父さんは自分を目立たないようにしてくれようとしてるのだと思った。
 生まれた時から桃花は、超絶美少女と村でも評判だった。
 でも『ある事件』が起きてからは、両親はずっと桃花を目立たせないようにひっそり家族三人で暮らしてきたのだ。

 『ある事件』

 桃花の記憶にはない事件。
 覚えていないのだ。
 ただ、その事件で左肩に桃花は傷を負った。
 その傷は痣になって、天使の羽の紋章のように残っている。

 心配性な両親のために、桃花はヘルメット前髪に長い黒髪を三つ編み。
 目がどこにあるかわからなくなるようなメガネに、お母さんがわざとダサくしてくれた制服。
 
 そんな準備をして桃花は、都会の学園へ行くことになった。

 
 
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