【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
「わっわっ……わかりません」
「もしかして、この地味子はスパイかよ!?」
柘榴が思い切り顔を寄せてきたので、慌てて立ち上がる。
この柘榴という少年も目はツリ目だけど整った顔立ちをしていた。
「ちちち違います! わ、私だってどうしてか……わからなくって……」
「やめろ柘榴……この子からは、特別な何かを感じる。朝も犬に襲われかけたのを助けた……加護を受けているかもしれない」
「はぁー!? まじかよ……この地味子がぁ~?」
「か、かご??」
籠!? 桃花には二人が何を言っているのか、わからない。
「本人は何もわからんって顔してるな」
「でもどーすんの? 一般人に見られたら処刑が普通だろ」
「しょ、しょけい!?」
まさか『処刑』!?
桃花は恐怖で泣きそうになる。
やっぱり転校なんてするんじゃなかった!!
飛鳥がコツンと柘榴の頭にゲンコツを当てる。
「アホな事ばっか言ってんじゃねーよ。何が処刑だ。嘘ばっか言うんじゃねぇよ」
「う、うそ」
「桃花だったな」
「は、はい」
「……いい名前だな」
そう言うと飛鳥は優しく微笑んだ。
桃花の心がジリっと熱くなる。
「えっ……あ、ありがとう」
「とりあえず、お前もチームに入るしかないようだな」