【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
「チ、チーム!? わ、私は暴走族なんか……入りたくない!」
「暴走族なんかじゃねーよ」
「だ、だって、総長って……みんなが、女の子達も……言ってて」
「それは一般市民が勘違いしてるだけさ。俺達のチームはみんなを守るためにある」
「えっ……?」
驚く桃花。
すると外から声が聴こえてきた。
校庭からだ。
「おーーーい! 総長! 柘榴! 何やってんだよ!」
「あ! 立ち話してる暇なんかなかったって! 珊瑚と辰砂だ!! 苺ももう来てる! 行くぞ!!」
「えっ!?」
「そいつ、どーすんだよ総長!」
柘榴に思い切り指を指された。
「連れて行く。此処に置いて行ったら危険だからな」
「まじかよ! んーじゃあ、総長! 俺は先に行くぜ」
柘榴はそう言うと、カーテンを開けてぴょんと窓を乗り越えた。
「きゃーーーー!? こ、ここ……三階!!」
「俺達も行くぞ、桃花。お前はこれを着ておけ」
飛鳥は長ランを脱ぐと、桃花に渡して桃花をヒョイとお姫様抱っこした。
「きゃっ!?」
「お前は俺が守ってやるから、とりあえず大人しくしておけ」
「(か、顔が近い!!)」
どちらかと言えば、男子は苦手な桃花。
まさか今日初めて会ったイケメン男子にお姫様抱っこされるとは思わなかった。
「やっぱりお前……どこかで」
「えっええっ!?」
更に顔を近づけてくる飛鳥。
目を細め、見つめられる。
「な、なんですか!?」
「いや、話はあとだ」
「え!? きゃ! きゃあああああ~~~!!」
なんと飛鳥は桃花を抱っこしたまま、柘榴と同じように窓から飛び降りたのだった!