【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
「すごい……」
しかし最後の数体になった時、虎のような妖魔が突如として氷の鎧のようなものに包まれた。
紅緒は数体に囲まれ、斬り伏せたばかり。
年下であろう苺が、1番巨大な氷の虎に狙われた。
他の三人もそれぞれ強化された氷の妖魔に襲われ対応している。
「あっ……! あの男の子、危ない!」
「う、うわっ!? なんだよ、こいつ……! 急に強く!」
氷の虎の牙の一撃をなんとか刀で弾いたが、すぐに爪、そして槍のようになった尻尾でも攻撃してくる。
「苺! 今行く!」
交わしながら避ける苺に、紅緒が叫ぶがまだ遠い!
後ろへ歩きながら攻防していたが、あまりの猛撃に転んで尻餅をついた苺。
「危ない!!」
自分で何もできるわけがないがない、と思っていたのに桃花はイチョウの木の下から走り出していた。
「お、お姉ちゃん!? 来ないで!」
氷の虎と苺の間に、盾になるように割り込んだ桃花。
「桃花ぁ!!」
紅緒の怒声で邪魔をする妖魔は燃え尽きる、しかしその瞬間に氷の虎の爪が切り裂こうとした。
朝と同じだ!
でも朝とは違う、何か……怯えて終わるだけではない何かが燃えているのを感じる。
紅緒や皆の闘いを見て、燃える力を感じたのだ――!
「来ないでぇ!!」
金色のガラスのような壁が苺の前に立った桃花の前に出現した。
それは氷の虎の爪を拒絶するように攻撃を弾き返す。
その防御だけで十分だった。
紅緒の刀が、一閃。
氷の虎を粉砕させる。
「桃花っ!!」
「はぁっはぁっはぁっ」