【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~

 今、自分が何をしたのか桃花にはわからなかった。
 急に恐ろしさで足が震えだしたのを紅緒に支えられる。

「大丈夫か?」

「は、はい……」
 
「苺は!」
 
「ぼ、僕も大丈……あ、イテテ」

 座り込んだまま、そう言った苺の腕から血が流れていた。
 必死で怪我をしていた事に気付かなかったようだ。

「怪我を……」

「こんなんかすり傷だよぉ……イテテ」

「待って、見せて」

 支えた紅緒の腕から抜け出し、座り込んだ苺の腕に手を伸ばした桃花。
 瞬間に自分の左肩が熱くなる。

「ううっ……!」

 熱さと痛みで呻くが、その代わり右の手のひらに光が現れる。
 その光を苺の傷に当てた。
 
「桃花、お前は……」

「お姉ちゃん? ……えっ傷が治った……?」

「……わ、私どうして……こんなこと」

 桃花が1番、自分のした事に驚いた。
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