【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
「ちなみに俺達は全員、財閥や企業の御曹司だ」
クイッとメガネのフレームを押し上げる辰砂。
「え……?」
「特に紅緒は飛鳥財閥の御曹司だ。この学園都市の創始者であり理事でもある飛鳥家は人間社会でも多大な影響力をもっている」
「おい、辰砂……わざわざ言わなくていーから」
辰砂の説明に紅緒はウザそうな顔をする。
「んで俺達が総長を補佐する四天王ってわけだ! 当然、俺達も御曹司だからな! 顔が良くて強くて金持ちで、めちゃくちゃすげーだろ!」
柘榴がえっへん! という顔をした。
「……はぁ……すごいです……」
「柘榴、ほんと恥ずかしいからやめろよなー。そういうのは言わないから花なんだよ」
「なんだよ珊瑚、地味子には言わなきゃわかんねーだろ」
顔もいいだけではなく、御曹司。
そして総長……四天王。
だからあれだけ女子に人気があるのだ。
納得はいったが、ますます此処に混ざっていていいのだろうかと思ってしまう。
「桃花、俺達はそういう生まれだが、だからって何も気にするな」
「紅緒くん……でも、私は田舎の一般人なんだけど……いいのかな」
「関係ない。お前は此処にいていいんだ」
「……うん……」
いつだってハッキリと言う紅緒。
どうしてこんなに優しいのだろうか。
「一応伝えただけで、俺も御曹司だのなんなの気にしろと言ったわけではないからな」
辰砂が言う。
「そーそー桃花ちゃん、気にしないでさ~」
「だよだよ! 仲良くしようね! お姉ちゃん!」
珊瑚と苺の兄弟が笑う。
「いーや地味子には俺を敬ってもらわねーと!! 新入りなんだしな!!」
「いい加減にしろ、柘榴」
また注意される柘榴。
「あはは……敬います」
そして料理が運ばれてきた。
それぞれ頼んだ料理でいっぱいになるテーブル。