【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
そして六時限目が終わり、野崎先生の帰りの学活も終わった。
「あ、朱雀さん! 放課後は理事長のところに行ってくださいね! って飛鳥君も一緒に行くの?」
また周りを気にせず、桃花の後ろにいる紅緒に野崎先生が驚くように声をかけた。
「あぁ、俺が連れてくからセンセはいいよ」
「えー!? 飛鳥君が!? だ、大丈夫……よね。飛鳥君! 他の先生が許しても私は族なんて許しませんからねっ! たとえ貴方が理事長の孫で御曹司でも先生は平等に指導します!!」
「はいはいっと。さよーならセンセ」
周りから見れば、面倒くさそうに話す族の総長飛鳥と若い熱血女教師とのやりとりだ。
「朱雀さん、何か困った事があったらすぐ先生に連絡してね」
「は、はい。ありがとうございます……!それでは先生、さようなら」
「はい、気を付けてね~」
スタスタと歩く飛鳥の後ろを追いかける。
「族って……やっぱり……みんなにはそう思われてるんだね……」
「あぁ。一般人には、そういう風に見えてるけど、逆にいい隠れ蓑だから思わせたままでいるのさ」
「そうなんだ……」
「(みんなのために戦っているのに……)」
桃火は少し悲しく思ったが飛鳥は特に何も言わずに歩く。
いつの間にか四天王の四人も合流して玄関を出ると、大きな車が待っていた。
多分、高級な車だ。
真っ黒でピカピカ。エンブレムが光り輝いている。
「そういえば、理事長室なのに学校の外に出ちゃって……いいの?」
「別棟にあるから、これに乗っていく。俺の家の車だ」
「えぇ!? 学校内で車移動!? 紅緒くんの……お父さんが運転してるの??」
「はは、そんなわけあるか」