【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
「お坊っちゃま達、おかえりなさいませ。お迎えにあがりました」
車の横から現れたのは、メイドさんだ。
若い女性。
黒髪は二つの三つ編みでメイドさんお決まりのカチューシャをしている。
ロングのメイド服が可愛い。
「(す、素敵で可愛いメイドさん!! わぁ! 本物のメイドさん!?)」
「夕子さん、こっちは朱雀桃花だ。祖父さんに呼ばれてる」
「はい承知しております。理事長の命でやってきました。可愛いお嬢様、私はメイドの夕子です。代々飛鳥家に仕えております」
「あっあの……私、朱雀桃花です。よろしくお願いします」
ガバっと頭を下げる桃花のカバンを夕子は優しく微笑んで受け取った。
「桃花様、どうぞよろしくお願いいたします」
「夕子さんは頼りになる人だ。なんでも困ったら相談するといい」
「紅緒お坊っちゃまが女の子に好意的に接しているのを見るのは初めてかもしれません」
「なんだよ。俺はいつでも誰にでも優しいぞ。うるさく追いかけてくる女は嫌なだけだ」