【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
「さて桃花さん。謎の多いまま、紅炎学園への入学ありがとう、そしておめでとう」
「は、はい……こちらこそ入学させて頂きありがとうございます……」
なんて言えばいいのかわからないし、緊張は更に増す。
「君は今朝の襲撃から始まり……この子達の戦闘を見たね」
「はい」
「じいさん、桃花は何も知らないんだぜ。朝の襲撃も犬一匹だったが、俺がいなかったらどうなってたと思うんだよ!」
紅緒は怒っているように声を荒らげた。
「当然ながら、彼女には手厚い警護をしていたよ。村にいた時からずーっとね」
「え……っ!?」
「御両親にも心配ないと伝えている。女の子が一人で遠い村からバスや飛行機に乗ってホテルに泊まり此処までくる。全て見守っていた。我が飛鳥財閥のプロの警備隊がね」
桃花には全くわからない事だった。
一人で何度も道を聞いたり、不安になりながら辿り着いたのに……まさか見守られていたとは……。
「(少し……助けてほしかったな……)」
「それでは、朝に彼女が襲われて総長が助けたという事件は……?」
辰砂がメガネのフレームを押し上げた。