【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~

「貴女は10年前に紅緒を助け不死鳥の巫女になった。だが、まだ幼い。不死鳥は貴女の力が完全に蘇るのを17歳の誕生日に決めたそうです」

「17歳……ちょうど一年後……です」

 桃花は16歳になったばかりだ。
  
「あなたが完全に不死鳥の巫女になれば、必ず敵対する『蒼騎審(そうきしん)』にも狙われる。再生の力があれば組織にとって強大な力になるからです」

「え……っそんな……」

 あの氷のような冷たい少年。
 人間に敵対する組織に狙われるだなんて恐怖だ。

「我々『紅刃斬(こうじんき)』が貴女を必ず守ります。総長、そして四天王、お前たちは必ず桃花さんをお守りするのだ! 彼女は私達にとって女神に値する存在だ。姫を必ず守れ!!」

 ぐるぐるメガネとヘルメット前髪の奥で、桃花は焦りと混乱で目がまわる。

「(私が巫女!? 女神!? 姫~~!? つ、ついていけない……)」

「まさか彼女が不死鳥の巫女だとは……理事長、承知しました」

 辰砂がメガネをクイと直して、頭を下げる。
 
「桃花姫かぁ~承知! 大船に乗った気持ちでいてよね☆」

 珊瑚がウインクしてきた。

「お姉ちゃんすごい人だったんだね! さっきは助けてくれてありがとう! 僕に任せてください!」

 苺が嬉しそうに笑う。
 
「この地味子が昔、総長を助けた……?? わかりましたけど……まじで? ……わかったけど……まじで?」

 柘榴は納得しながら疑いながら、桃花を眺めていた。
 まぁその気持ちはわかると、桃花は思う。
 
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