【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
「茜ちゃん、みんなと仲良しなんだね?」
「1年に数回会うくらいだけどね~。たまに会う幼馴染って感じ。お父さんからのお土産ってあげてたお菓子、あれ私がこの学園都市に出張に来て~実は自分で買ってたんだ」
確かに茜から、たまに都会のお菓子をもらっていたがお父さんの出張土産と聞かされていた。
まさか中学生でこんな場所まで茜本人が出張に来ていたとは!
「そうだったの……なんだかびっくりなことばかり。でも私達が友達なのは変わらないよね? ……今までの友情は演技じゃないよね……?」
「当然だよ! 出会いは任務だったけど、あたし達は本当に仲良しだよ!」
「茜ちゃん!」
また二人で手を握りあった。
驚くことばかりだが茜との再会は素直に嬉しい。
「おい、総長、大丈夫か?」
考え込んでいた紅緒に辰砂が声をかける。
「あ、あぁ……いや、俺も少し驚いた……じいさん。俺達はその山で初めて会ったのか?」
「いや、従者の話だと面識があったようだ」
「そうか……今少し……思い出した」
紅緒は何か納得したようだ。
「紅緒くん……? 大丈夫?」
「いや、なんでもない。大丈夫さ」
桃花も心配そうに紅緒の顔を見たが、紅緒は微笑み返してくれた。
「というわけで、今日からお前達の部屋に桃花さんも一緒に住む事になるからな。よろしく頼むぞ。茜はメイドの夕子さんと同室で寮の一階に監視もかねて住んでもらう事が決まっている」
「えっ!? 一緒に?」
「そう、ルームシェアだ」
まさかの理事長の言葉。
これには全員が驚いた。