【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
「俺達はもちろん歓迎するさ。だから桃花、何も心配するな」
「……紅緒くん」
紅緒に微笑まれ手を差し出されて、桃花はつい握ってしまう。
「(今の話はまだ信じられないけど、私達は出会っていたんだ)」
繋がれた手が、また何か思い出しそうにドキドキと心臓を揺さぶる。
紅緒の強いオーラに、寄り添ってしまいたくなる気持ち。
「行くぞ、桃花」
「うん」
ヘルメット前髪とメガネが揺れて、微笑んだ桃花の笑顔に紅緒も微笑む。
「お前ら! 歓迎会の準備だ!」
「「「「おう!!」」」」「はーい!!」
それぞれの反応はあるが、元気いっぱいの四天王と茜の声。
まずは理事長に挨拶をして、また車に乗り込む。
茜もいるので、なんだか桃花の気持ちも不安だけではなくなってきた。
ドキドキするような、ソワソワするような。不思議な気持ち。
「紅緒坊ちゃま、パーティーのメニューはどうします? ケータリングでシェフを部屋にお呼びしますか?」
夕子さんが歓迎会の食事について紅緒に聞いた。
「(ケータリングってなんだろう??)」
ケータリングとはシェフや調理人を家に呼んで出来立ての料理を味わえるサービスだが桃花はもちろんわからない。
「そうだなぁ……桃花は何が食べたい? なんでもいいぞ」
「えっ、わ、私はなんだろう……」