【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
「姫、パーティーでの食事は、何が食べたいですか?」
「ひ、ひめ!? 辰砂さん、やめてください!」
突然の姫呼びに戸惑う。
「貴女は俺達にとって姫なのだから、こう呼ぶのは礼儀だと思います」
メガネをクイッとかけ直す辰砂。
どうやら姫呼びは変えるつもりはないようだ。
「あー! マダムケイクがある! チョコケーキ買おう! 私行ってくるね~!!」
茜が言った先にあるケーキ屋さんは確かに、茜と二人でテレビを見ながら『食べてみたいねぇ』と言っていたケーキ屋さんだ。
「じゃあ女子が喜びそうなオードブルでも俺、見てくるわ☆」
「そうだな。俺も行こう。柘榴達からピザやチキンの希望のメールがきた。買ってくる」
珊瑚と辰砂が行ってしまって夕子も二人についていく。
気付けば荷物持ちとして運転手さんも着ていたが彼も夕子の後を着いていく。
スーツ姿でも筋肉隆々なのがわかる。
「(ボディーガードっぽい……ううん、ボディーガードなんだよね。みんな御曹司なんだもの)」
「桃花」
声をかけられ紅緒と二人きりになった事に気が付いた。
まわりは買い物を楽しむマダムでワイワイ賑やかだけど、二人っきりだ。
「何か心配か?」
「あ、うん……あの……お金って大丈夫なのかな?」
学費や寮などは一切心配しなくていいと、理事長に伝えられた。
でも今回のパーティーもなんだかすごくお金がかかるんじゃ? と桃花は気になってしまうのだ。