【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
同じ高校生? いや、そんな事より御礼を……と思っても声が出ない。
周りのみんなはやっぱり、誰も気づかない。
「あ、あ……ありあり……」
「ったく……」
ありがとうと言いたいのに、声にならない。
呆れたような冷たい視線が突き刺さる。
怖い!
「……ほらよ」
しかし意外な事に、手を差し出してくれた……ので反射的に手を差し出してしまった。
すごく強い力で引っ張られて、桃花は飛ぶようにして立ち上がる。
その時、繋いだ手が……!
「熱いっ……!」
「なっ……!?」
それと同時に桃花の左肩も燃えるように熱くなった。
「……つっ……」
熱いのは痣だ! と桃花は思う。
「……おまえ……?」
じっと少年に見つめられる。
吸い込まれそうな大きな瞳がまた金色に見えた。
睫毛が長く、鼻筋も通って、美少年だ。
雄々しく、そして美しい。
強さのオーラが滲み出るような……。
あまりに眩しくて、目をそらした。
「……あ、あの……」
「……敵ではなさそうだが……まぁいいや」
少年は何もなかったように、背を向けて歩き出した。
「えっ……あっ……」