【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
広くて長い廊下を通って、リビングへ。
「わぁ~教室より広い!」
大きな窓から夜景が見えるリビングは広々として、パーティー用に飾られている。
「桃花」
「紅緒くん」
前髪を編み上げ、メガネを外した桃花。
少し驚いた顔をした紅緒は、桃花をじっと見つめた。
紅緒の私服姿も、パーカーにズボンだがデザインが凝っていてよく似合っている。
「(紅緒くん、かっこいい……)」
「……桃花……」
「べ、紅緒くん。どうしたの?」
「いや……似合ってるな」
「あ、ありがとう」
後ろの四天王達も何故か固まって桃花を見ている。
「茜、地味子はどこいったんだよ?」
「なに言ってんのよ、馬鹿柘榴」
柘榴は同じ女の子だとわからないようだ。
「俺はわかってたけど☆まさかここまでとはね」
珊瑚がピューッと口笛を吹く。
「とんだ変身だ……姫……驚いた」
辰砂が下を向いて眼鏡を直す。
「お姉ちゃん、めっちゃ可愛いーー!!」
苺が笑顔で叫んだ。
「えっ……そ、そんな」
「ひれ伏せ男ども!! 桃花はめっちゃ可愛いんだからね!」
何故か茜が偉そうに叫ぶ!
「ちょっと、茜ちゃん~何言ってるの」
「はは、茜の言う通りだな」
「べ、紅緒くん!?」
紅緒が笑って、桃花に微笑む。
「パーティーするか! 桃花」
「うん……!」
柘榴と苺が飾り付けをしてパーティーらしくなったリビング。
テーブルには、買ってきたご馳走がすでに並べられていた。
みんなで手際よく食器を並べる。
五人暮らしが慣れているようで何でも夕子さん任せではないらしい。
準備が終わると夕子さんはにっこり微笑んでお辞儀をして1階へ降りて行った。
「よし、じゃあ紅炎学園にようこそ桃花、茜! 乾杯!」
「かんぱーーい!!」
一気に出来た友人?達。
朝の孤独はもうなかった。