【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
理事長から聞いた過去の話。
信じられないけど……全て否定する気持ちにはなれない。
知っているようなわからないような不思議な感覚。
「まぁな。でも、朝に会った時……なんか運命は感じたんだよな。また会えるだろって思った」
「えっ」
あの起きあげられた時に感じた熱さ、それを紅緒も感じたのだろうか。
「桃花は怖いって思ったよな」
「う、うん……犬は怖かった……」
「俺も怖かっただろ」
にやりと紅緒が笑う。
「え!? う、うん……少し」
「桃花は正直だな」
「えっ……ご、ごめんなさい」
「謝ることないさ、わかりやすくていい」
「えぇ~」
「ふふ、いいじゃねーか、桃花らしくて」
「紅緒くん……」
力強いのに優しい微笑み。
ふっと脳内をかすめる……子供の頃の記憶。
『約束』という言葉が浮かんだ。