【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~

 毎日一緒にいた両親と、これから離れて暮らすことを実感した。

「……やっぱりちょっと寂しいな……」
 
 滲んだ涙を拭って、桃花はリビングに戻った。

「桃花。ご両親と、話はできたか」

「うん」

 みんなが笑って話をしているなか、紅緒がそっと傍にきてくれる。

「大丈夫か?」

「えへ、うん……」

「落ち着いたら、ご両親もこっちへ遊びに来てもらったり、村へも遊びに行こうな」

「……できるの?」

「もちろん、安全を保証できるようになればな」

「そうなれるように……頑張る!」

「あぁ、一緒に証明しよう」

「うん」

 紅緒やみんなも、茜も両親と離れて暮らしている。
 だから弱音なんか吐けないと思っていたのに、紅緒が教えてくれたから、もっと頑張れる気がした。

「さ、そろそろ出かける時間だな」

 みんなもう着替え終わって、学校へ行く準備ができたようだ。

「じゃあ、行ってきます~!」

「皆さま、いってらっしゃいませ!」

 みんなで元気に夕子さんへ挨拶して寮を出た。

 寮からは車で送ってもらう事もできるが、紅緒達は見回りも兼ねて歩いて行くのだという。
 桃花に紅緒、四天王と揃って歩く。
 茜は転校初日になるので教室で落ち合うとの事だった。
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