【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
桃花と茜に何か言おうと近づいてきていた女生徒達はそそくさと逃げ出した。
周りが桃花を見る目が変わった。
急に、皆があちらこちら違う方を向く。
「こ、こんな放送しちゃって……いいの?」
「いや~~ん! さすが最強最恐の飛鳥様も、恋人には溺愛メロメロなんだね~!! きゃー!!」
茜が興奮したように、頬を両手で押さえて叫ぶ。
「こ、恋人!? そんなんじゃないよ!!」
「えー!? そうなの!? 付き合ってないの!?」
「こ、声が大きいよぉ! そ、そんな話はなんにもしてないから……!!」
「うそぉ~まじで? 溺愛されてんのに」
「で、できあいなんて……! ち、ちがうから」
頭がパニックになってしまう。
恋バナなんて、わからない。
「(とっても優しくしてくれているのは、わかるけど……溺愛だなんて! どう思われてるのかもわからないのに)」
「じゃあ、まだ桃はフリーなんだ」
「き、決まってるでしょ!」
「へーえ、じゃあ四天王にもチャンスはあるわけだね」
「えっ……なんの話?」
茜はニヤニヤと一人で納得しているようだ。
「あいつらも結構、桃が気になってるみたいだし、これは、この先どうなるか楽しみ」
「だからなんの話なの!? 茜ちゃん!」
「柘榴は馬鹿だけど、まぁ悪いやつではないし、辰砂君は頭良いし、珊瑚も女の子には優しいし、苺は可愛い。それぞれいいとこあるよ。まぁでも飛鳥様が1番だろうけどね」
「みんながいい人なのは、もうわかってるよぉ。紅緒くんだって……うん」
突然に現れたイケメン五人。
たった二日目なのに、彼らの魅力は十分にわかる。
「ふふ。桃は自分の気持ちにこれからも素直で生きていくんだよ」
「そ、それは……うん! ……紅緒くんのおかげで、嫌な目に合う子がいなくなるかな」
「そうだといいね。きっと桃花のおかげで救われる子はいるよ……桃花は優しいね」
「みんなや茜ちゃんの方が優しいよ……紅緒くん、戻ってくるかな……」
しばらくすると、テラスがざわつき殺気立った紅緒と四天王が戻ってきた。