【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
「何かあったらこれからも言うんだぞ」
「……はい」
「まったく……」
「ご、ごめんね」
「これからすぐに言うなら、いいさ」
ホッとしたように紅緒は頷いた。
まだ昼休みの時間はある。
桃花がみんなのために頼んだ、爽やかなレモネードが運ばれてきた。
珊瑚がストローで飲みながら桃花を見る。
「なぁ~俺気になってたんだけどさ、桃花ちゃんってさぁ☆彼氏いないの~?」
「「えっ……」」
珊瑚からの突然の質問に、桃花は驚いたが紅緒も珍しく驚く顔をした。
「だって、村に彼氏いたってさ~おかしくないっしょ? 本当はすっげー可愛いんだしさ」
「えっ……ま、まさか!!」
「そりゃあ、桃を好きな男子なんかいっぱいいたよぉ~桃花は鈍感だから知らないだけでね!」
茜がニヤッと笑う。
「あっ茜ちゃん?」
「ふむ……姫も昨日会った俺達にプライベートは、すぐには話しにくいだろうな。これからじっくりと仲を深めてから尋ねるべきだろう……いや、しかし恋人の有無は俺も気になる……どうなんだ姫」
辰砂がメガネを直しながら、しかしちょっと慌てている?
飲もうとしたレモネードのストローが揺れている。