【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
「そ、そうなの? ……紅緒くん女の子嫌いなの……?」
「えっ……いや、柘榴、座れ。黙ってろ、お前」
「え? 地味子に彼氏がいようが……関係ないって話じゃん! まぁ地味子に彼氏とか……なんかすげー腹立つけど……あはは、なんで俺が腹立つんだろ? あ、もう時間だな。じゃあ俺次体育だから行くぜ!!」
ペラペラと好き勝手に柘榴は言い終えると、飲み終えたジュースを片付けつつ去って行った。
なんだか変な空気になってしまった。
「そうそう、紅緒は女の子大嫌いだったよな~っふっふっふ」
「おい、珊瑚」
「俺もそう記憶している」
「辰砂、だから……」
「そっかぁ~紅お兄ちゃん、女の子嫌いだよねーー!」
「苺。まったく、お前ら勝手に言ってろよ」
呆れたように話をを終わらせた紅緒。
テラスで全員解散になったが、同じ教室の桃花と紅緒と茜は結局同じ廊下を歩く。
紅緒は何か考え事をしているようだった。
「……紅緒くん怒ってるのかな……」
「大丈夫大丈夫! ちょっと飛鳥様の意外な面を見れて……くすくす」
「意外な面?」
「あの人は幼少期から抜群強くて美少年。勉強もできるし、いろんな意味で頭も良い。まさに完璧! でも完璧王子さまにも弱点はあったか~うふふ」
「意味がわからないよぉ」
「桃花が弱点なのかもね~」
「私が?」
「うん。桃は飛鳥様のこと、どう想ってるのか……ちゃんと考えなよー?」
「えっ……わ、私は」
確かに、呼び出されて聞かれた時も……自分は紅緒をどう思っているのか……。
昨日出逢ってから、距離が一気に縮まって……心が通じ合った気持ちになっていたが……。
「(私達の関係……って私の気持ちって……)」
普通なら、ただの友達だ。
でも、そう思うと桃花の心はズキッと痛んだ。
少し先を歩いてる紅緒をじっと見つめてしまう。