【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~

「そ、そうなの? ……紅緒くん女の子嫌いなの……?」

「えっ……いや、柘榴、座れ。黙ってろ、お前」

「え? 地味子に彼氏がいようが……関係ないって話じゃん! まぁ地味子に彼氏とか……なんかすげー腹立つけど……あはは、なんで俺が腹立つんだろ? あ、もう時間だな。じゃあ俺次体育だから行くぜ!!」

 ペラペラと好き勝手に柘榴は言い終えると、飲み終えたジュースを片付けつつ去って行った。
 なんだか変な空気になってしまった。
 
「そうそう、紅緒は女の子大嫌いだったよな~っふっふっふ」

「おい、珊瑚」

「俺もそう記憶している」

「辰砂、だから……」

「そっかぁ~紅お兄ちゃん、女の子嫌いだよねーー!」

「苺。まったく、お前ら勝手に言ってろよ」

 呆れたように話をを終わらせた紅緒。

 テラスで全員解散になったが、同じ教室の桃花と紅緒と茜は結局同じ廊下を歩く。
 紅緒は何か考え事をしているようだった。

「……紅緒くん怒ってるのかな……」

「大丈夫大丈夫! ちょっと飛鳥様の意外な面を見れて……くすくす」

「意外な面?」

「あの人は幼少期から抜群強くて美少年。勉強もできるし、いろんな意味で頭も良い。まさに完璧! でも完璧王子さまにも弱点はあったか~うふふ」

「意味がわからないよぉ」

「桃花が弱点なのかもね~」

「私が?」

「うん。桃は飛鳥様のこと、どう想ってるのか……ちゃんと考えなよー?」

「えっ……わ、私は」

 確かに、呼び出されて聞かれた時も……自分は紅緒をどう思っているのか……。
 昨日出逢ってから、距離が一気に縮まって……心が通じ合った気持ちになっていたが……。

「(私達の関係……って私の気持ちって……)」

 普通なら、ただの友達だ。
 でも、そう思うと桃花の心はズキッと痛んだ。
 少し先を歩いてる紅緒をじっと見つめてしまう。
< 98 / 181 >

この作品をシェア

pagetop