ヤキモチ妬きな彼からの狂おしい程の愛情【完】
「あ、あの、雪蛍くん……?」
「俺、お前にはそういう態度取られたくねぇんだよ、分かれよ」
「わ、分かったから、離れて……」
「嫌だ」
「ちょ、雪蛍く――」

 彼は私を解放するどころか、彼の指が私の頬に触れると、今度は強引に唇を重ねてきた。

「んんっ!」

 角度を変え、何度も口付けられ、更には強引に舌を入れられる。

「っぁ、はぁ……」

 キスだけなのに、私の身体の力は抜けてしまい、その場に座り込みそうになると彼は一旦キスを止めて、

「きゃあっ!?」

 私の身体を軽々と抱きかかえた。

「もう我慢出来ない。いいよな?」

 そう言って私の返事を待たず寝室へ入ると、私の身体はベッドに降ろされる。

「雪蛍くん、駄目……」

 これじゃあ、またいつもと変わらない。

 身体を求められ、彼のペースに飲まれるだけ。

 それに気持ちのない、ただ欲を満たすだけの行為はもう嫌なのだ。

 だって私は、彼の事が……好きだから。

「駄目じゃねぇだろ?」
「駄目、だよ……私たちは、仕事上のパートナーってだけなのに、こんなの……」
「そんな事か。それじゃあ仕事上のパートナーじゃなければいいんだよな?」

 私の言葉に納得した彼の口から、予想もしていない言葉が聞こえてきた。

「――莉世、俺の女になれよ」という、一番欲しかった言葉が。
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