ヤキモチ妬きな彼からの狂おしい程の愛情【完】
 連休最終日、普段なかなか帰省出来ない私はギリギリまで実家で羽を伸ばし、午後になる頃にようやく実家を後にした。

(実家に帰ると、ついつい長居したくなるのよね)

 帰省した後はいつも思う。

 ホームシックというより、何もしなくても温かいご飯が出てくる事や、あれやこれやと世話を焼いてくれる両親の元に居るのが心地よくて、一人暮らしのアパートに帰りたくなくなってしまうのだ。

 でも、それはあくまでも昔の事で、今は違う。

(雪蛍くんに、早く会いたいな)

 四日ぶりに会う彼氏の事を思うと、いつになく足取りは軽い。

(今日はファッション誌の撮影とインタビューだけって言ってたから、早く終わるよね。ご飯作って待ってよう)

 都内に戻って来た私は一旦自分のアパートに寄って荷物を置き、それから車で雪蛍くんのマンションへ向かう事に。

 途中、スーパーに寄って夕飯の材料を買い込み、雪蛍くんに部屋で待ってる旨を伝えるメッセージを送った私は合鍵で部屋の中へ入る。

「うわ、結構散らかってるなぁ……」

 マネージャーの私は、家事全般など彼の身の回りのお世話もする。

 今、彼に付いてる新人マネージャーの小柴くんにもやらせようとしたら雪蛍くんが、「男は絶対、部屋に入れない」なんて言って断固拒否したから仕方なく身の回りのお世話はだけは全て私の担当になった。

 勿論、『彼女』としては、嬉しい限りだけど。

 早速散らかった部屋を片付け、ささっと洗濯や掃除を終えるとすぐに夕食の準備に取り掛かる。
< 21 / 94 >

この作品をシェア

pagetop