ヤキモチ妬きな彼からの狂おしい程の愛情【完】
 結局雪蛍くんのお願いに逆らえなかった私が頷くや否や軽々と身体を抱えられて寝室のベッドへ運ばれて行く。

 そして、そのまま流されるように深い口付けから始まり、身体の隅から隅まで彼に愛されていくのをひしひしと感じていた。

 その後、二人一緒に入浴を済ませ少し遅めの夕食を食べながら離れていた数日間の話をし始めた。

「――なぁ莉世、俺やっぱアイツ嫌いだわ」
「アイツって、小柴くんの事?」
「そ。アイツ絶対マネージャー向いてない。要領悪いどころの騒ぎじゃねぇよ」
「うーん、でも社長直々に頼まれたし、彼も一生懸命だしさ……」
「しかもアイツ居るとお前とイチャつけねえからマジで邪魔」
「もう、雪蛍くんったら。邪魔とか言わないの。そもそも仕事中にイチャつくのは禁止です」
「何だよ、莉世だって本当はしたいって思ってんだろ?」
「思わないよ、仕事中にそんな事……」
「どーだか。ま、いいや。明日からの英気を養う為にも、今日はもう一度莉世を堪能するから、覚悟しとけよ」
「ええ? さっきしたばっかりだよ?」
「あんなんじゃ足りねぇよ。それとも何か? 莉世はあの程度で満足なのかよ?」
「そっ……そんな事……、ないけど……」
「そうそう、最初から素直になっとけよな」
「もう、雪蛍くんったら……」

 こうして、この日は朝方まで寝かせては貰えず、翌日二人して寝不足気味だった事は言うまでもない。
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