ヤキモチ妬きな彼からの狂おしい程の愛情【完】
「とにかく、一度原に話を聞こう――」

 そう雪蛍くんが言うのとほぼ同時に、私のスマホから着信音が鳴り響く。

「ごめん、ちょっと確認するね」

 一言断った私はベッドの上に置いてあるスマホに手を伸ばして取り、電話を掛けてきた相手を確認すると、

「あ……」
「どうした?」

 画面に表示されていた名前は原さんだった。

 それを知った雪蛍くんは私から強引にスマホを奪い取ると、スピーカーに切り替えて電話に出た。

「何の用だ?」
「……あれ? その声は……渋谷くん? これ、南田さんの電話、だよね?」
「だったらどうだってんだよ?」
「……えっと、彼女に用があるんだけど、傍に居るなら代わって貰えないかな?」
「莉世に何の用なんだ? 俺には聞かれちゃまずい話なのか?」
「…………」

 彼の鬼気迫る声に圧倒されたのか、原さんは黙り込んでしまう。

 どちらも声を発さず、数分の沈黙が続いた後、

「……それじゃあ明日、直接会って話したい事がある。そう南田さんに伝えてくれないかな?」

 私が聞いているとは思っていない原さんが雪蛍くんにお願いするも、その言葉は彼をより一層激怒させた。
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