ヤキモチ妬きな彼からの狂おしい程の愛情【完】
 それから暫くして、バラエティー番組の収録現場で一緒になった原さんに声を掛けられた。

「南田さん、少しいいかな?」
「……はい」

 雪蛍くんは収録中なので、迷ったものの少しくらいはと席を外して原さんと話をする事にした。


「あの件では、本当に申し訳無かった。それと、こちら側の条件を飲んでくれて、感謝しています」
「いえ……。こちらとしても、あの件とお仕事は別だと思っていましたので。それに、事務所とも話し合った末に決めた事ですから」

 原さんから桜乃さんの話を聞いたところによると、彼女は本当に雪蛍くんを好きだったようで、どうしても彼女である私の事が許せなかったらしい。

 そんな彼女は映画の公開を終えたら暫く休業するという。

「結萌自身、あの件では後悔してるようです。ただ、プライドが高くてどうしても面と向かって謝る事が出来ないみたいで、本当に申し訳ない……」
「悪いと思っているなら、もうそれでいいですよ。気にしないでください」

 あの一件では、私もすごくダメージを受けたし沢山悩んだけど、私は良かったと思っている。

 だって、あの一件があったおかげで、雪蛍くんとの絆がより深くなった気がするから。

「あ、収録が終わったみたいですね、戻りましょう」

 隅の方で話をしていた私は収録が終わり、出演者たちが動き出したのを確認したので話を切り上げ、それぞれの位置に戻って行った。


 そしてその夜、久々に仕事が早く終わった事もあって、雪蛍くんのマンションでゆっくり過ごしていた私たち。

 ソファーに座ってテレビを観ていた時、ふいに雪蛍くんが声を掛けてきた。
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