ヤキモチ妬きな彼からの狂おしい程の愛情【完】
「莉世は寂しくねぇの?」
「淋しいよ、こうして一緒に居るのに、一人の部屋に帰るのは、すごく淋しい……」
「分かった、それならせめてこのマンションに越して来ればいい」
「ここは事務所が借り上げてるアーティスト専用のマンションでしょ? マネージャーの私は住めないよ」
「……っち、そうだった」
「もう少し我慢しよ? ね?」
「……分かったよ。それじゃあ、莉世が帰っても寂しくならないよう、たっぷり堪能させてもらうかな」
「えぇ!? き、今日は泊まるから……ほどほどで……」
「それなら尚更、一晩中可愛がってやらねぇとな?」
「は、話が違う……!」
「いいから、もう黙れよ――」
「――ん、ふ……ぁ、」

 こうしてまた、キスから始まった私たち。

「……ぁ、っ……はぁ……ん」

 彼の唇が首筋、鎖骨、胸元へと移動する度、私は小さく声をあげて身体を捩る。

 互いの体温は上昇し、息遣いも荒くなる。

 いつの間にかTシャツは捲りあげられてブラジャーのホックも外されると、露わになった胸の頂きを弄られ、私の身体は余計に疼く。

 そして、穿いていたズボンと下着を一気に下げられ、雪蛍くんの細くて長い指が下腹部から下をなぞっていく。

「……ッぁ、は……ぁ、ゃ……んッ」

 何度も身体を重ねているけど、常に恥ずかしさはある。

 それでも身体は正直だから、彼を受け入れる準備は既に整っていた。

 彼の指だけではもう物足りなくて、気付けば私の方から、懇願していた。

「ゆきほ、くん……おねがい……もう……、むり……」
「ああ、いいぜ。お前が望むなら、いくらでもしてやる」

 こんなに積極的になれるのも、恥ずかしい部分を全て見せられるのも、雪蛍くんだけ。


 ヤキモチ妬きなところもあるし、強引な時もあるし、時には振り回される事もある。

 だけど、そんな彼の愛情を受けながら、私は彼との仲をもっともっと、深めていきたい。

 いつか、ずっと一緒に居られる、その日まで――。
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