ヤキモチ妬きな彼からの狂おしい程の愛情【完】
予想していた通り、雪蛍くんの忙しさは日に日に増して行き、私たちが顔を合わせる日も一日、また一日と減っていく。
このところの同行は小柴くんが担当していて私は日々打ち合わせなどの裏方の対応に追われていた。
それというのも私と雪蛍くんが一緒にいる事で万が一にもスキャンダルにならないようにという社長や事務所の指示でもあった。
その事に雪蛍くんはかなり不満を漏らしていたけど、それは最初だけ。
日に日に忙しくなっていき彼自身余裕が無くなって来たのか最近では文句を口にしなくなっていた。
そして、毎日行われていた寝る前のおやすみコールですら、彼の寝落ちが原因でしていない状況だった。
そんなある日、私は社長に呼ばれて事務所に居た。
「南田くん、悪いね。忙しい中呼び立てて」
「いえ。それでその、お話というのは?」
「ふむ……実はな、今日発売の週刊誌に、こんな記事が載っていたんだよ」
社長が一冊の週刊誌を取り出すと、付箋の貼ってあるページを開いて私に見せてくる。
社長の表情が険しいところを見ると、余程深刻な内容らしい。一体どんな記事なのかと思い、身を乗り出してその記事に視線を向けてみると、
「え?」
そこには『渋谷雪蛍、熱愛発覚!?』の文字が大きく記載され、複数枚の写真が載っている。
まさか、自分との事が公になってしまったのかと思い写真や相手の名前を見てみると、
(え……、どうして、この人と?)
複数枚載せられている写真に写っていた相手の女の人は私ではなく、最近人気が出ている新人女優の玉城 佳奈美という雪蛍くんと同い歳の可愛らしい女の子。
記事を読んでいくと、深夜に二人きりで複数回会っていたという事や、都内の高級ホテルから出て来たなんていう内容もあったりする。
事務所の方には一切話が来ていなかったようで全く知らず、発売されてすぐにネットではこの噂について騒がれ、事務所にも問い合わせが殺到しているという。
「南田くんと雪蛍は、まだ交際を続けているのか確かめたくて君を呼んだんだが……どうなんだね?」
「えっと、その……変わらずに続いている、はずなのですが……」
「そうか。まあ今さっき小柴くんにもこのことを連絡して、早急に雪蛍に確かめるように言っているのだが、撮影が長引いているようでなかなか話が聞けないらしくてな……」
「そう、ですか……」
社長の話を聞きつつも、私は週刊誌の記事から目が離せない。
詳しく読んでみると、写真を撮られた日に覚えがあった。
(この日って、どれも寝る前の電話が無かった日だ……寝落ちしたって言ってたのに……女の子と二人で会ってたなんて……)
いや、仮に会っていたとしても、恐らく仕事の関係でという事なのだと理解している。
だけど、会っていた事実を彼が隠している事がショックでならなかった。
このところの同行は小柴くんが担当していて私は日々打ち合わせなどの裏方の対応に追われていた。
それというのも私と雪蛍くんが一緒にいる事で万が一にもスキャンダルにならないようにという社長や事務所の指示でもあった。
その事に雪蛍くんはかなり不満を漏らしていたけど、それは最初だけ。
日に日に忙しくなっていき彼自身余裕が無くなって来たのか最近では文句を口にしなくなっていた。
そして、毎日行われていた寝る前のおやすみコールですら、彼の寝落ちが原因でしていない状況だった。
そんなある日、私は社長に呼ばれて事務所に居た。
「南田くん、悪いね。忙しい中呼び立てて」
「いえ。それでその、お話というのは?」
「ふむ……実はな、今日発売の週刊誌に、こんな記事が載っていたんだよ」
社長が一冊の週刊誌を取り出すと、付箋の貼ってあるページを開いて私に見せてくる。
社長の表情が険しいところを見ると、余程深刻な内容らしい。一体どんな記事なのかと思い、身を乗り出してその記事に視線を向けてみると、
「え?」
そこには『渋谷雪蛍、熱愛発覚!?』の文字が大きく記載され、複数枚の写真が載っている。
まさか、自分との事が公になってしまったのかと思い写真や相手の名前を見てみると、
(え……、どうして、この人と?)
複数枚載せられている写真に写っていた相手の女の人は私ではなく、最近人気が出ている新人女優の玉城 佳奈美という雪蛍くんと同い歳の可愛らしい女の子。
記事を読んでいくと、深夜に二人きりで複数回会っていたという事や、都内の高級ホテルから出て来たなんていう内容もあったりする。
事務所の方には一切話が来ていなかったようで全く知らず、発売されてすぐにネットではこの噂について騒がれ、事務所にも問い合わせが殺到しているという。
「南田くんと雪蛍は、まだ交際を続けているのか確かめたくて君を呼んだんだが……どうなんだね?」
「えっと、その……変わらずに続いている、はずなのですが……」
「そうか。まあ今さっき小柴くんにもこのことを連絡して、早急に雪蛍に確かめるように言っているのだが、撮影が長引いているようでなかなか話が聞けないらしくてな……」
「そう、ですか……」
社長の話を聞きつつも、私は週刊誌の記事から目が離せない。
詳しく読んでみると、写真を撮られた日に覚えがあった。
(この日って、どれも寝る前の電話が無かった日だ……寝落ちしたって言ってたのに……女の子と二人で会ってたなんて……)
いや、仮に会っていたとしても、恐らく仕事の関係でという事なのだと理解している。
だけど、会っていた事実を彼が隠している事がショックでならなかった。