ヤキモチ妬きな彼からの狂おしい程の愛情【完】
「――莉世」
「……ん、」

 名前を呼ばれて再び唇を塞がれた私は雪蛍くんの首に腕を回して彼を求めた。

「……っん、……は、ぁ……んん、」

 荒くなる息づかいに、上昇し続ける体温。

 触れられる喜びに、感じ合える温もり。

 離れていた期間は辛く悲しく淋しくて、触れ合いたいとどんなに願った事か。

 でも、もう離れなくていい。

 これからは、私たちの関係を隠す必要も無い。

 ずっとずっと夢見ていた、雪蛍くんとの未来が現実のものになるのかと思うと、嬉しくてたまらなくて涙が溢れてきた。

「……莉世?」

 私の涙に驚いたのか、雪蛍くんは唇を離し、どこか不安げな表情で私の名前を口にする。

「……ごめん、こんな時に、泣くなんて……」
「強引過ぎた?」
「ううん、違うの……あのね、離れていた時とか、スキャンダルになった時はあんなに不安だったのに、今は凄く幸せだなって思ったら……自然に涙が、溢れてきて……」

 急に涙が溢れてきた理由を話して謝ろうとすると、

「……そっか、嬉し涙か。なら良かった」

 溢れ出る涙を指で掬いながら笑顔を見せた雪蛍くん。

「不安にさせた分、これからは沢山幸せにするから。俺と一緒になって良かったって、思わせるから」
「……うん」
「嬉し涙も良いけどさ、やっぱり莉世には笑顔の方が似合うから、喜びが溢れる毎日にしよう。莉世の笑顔は、俺を元気にしてくれる。莉世の笑顔が見れたら、どんな仕事でも、頑張れるから」
「うん……私も、雪蛍くんと居られるだけで幸せで、自然と笑顔になれるから、笑顔で元気をあげられるなら、これからはいつも、笑顔でいるね」
「ああ。俺たちさ、どこの家族よりも、幸せな家庭を築いていこうな」
「うん」

 再び見つめ合った私たちに、これ以上の言葉は必要無かった。

 お互いに唇を求め、角度を変えながら何度もキスをする。

 そして、私が着ているブラウスのボタンに雪蛍くんの指が触れて、一つ、また一つと外されていく。

 全てのボタンを外し終えた彼は私からシャツを脱がせて、一旦キスを止めた。
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