ヤキモチ妬きな彼からの狂おしい程の愛情【完】
頭を下げ続ける雪蛍くんに倣って私も立ち上がると、
「お父さん、お母さん、私、雪蛍くんとなら幸せになれるって信じてる。やり甲斐のあったマネージャー業は引退しちゃうけど、それ以上にやりたい事が見つかったの。私は雪蛍くんと幸せな家庭を築きたい。その為にも、これからは家族として、傍に居たいから……だから、お願いします、私たちの結婚を許してください」
雪蛍くんとの未来を両親に訴えかけるように伝えて頭を下げた。
「――二人共、頭を上げなさい」
お父さんの声に私と雪蛍くんはほぼ同時に顔を上げる。
「二人共、座って?」
そして、お母さんからは座るように言われた事もあって、私たちは再び腰を下ろしてお父さんの方へ視線を向けると、
「二人の想いは分かった。渋谷くんも、本気で莉世の事を想っていてくれていると知って、私は安心したよ。大切な娘だからね、ついつい意地悪な事を言ってすまなかった。君のような誠実な青年が相手で私も安心したよ――こちらこそ、娘をよろしく頼みます」
これまでの不機嫌な表情から一変、いつもの優しい表情を浮かべたお父さんが、私たちの結婚を許してくれた。
「お父さん……」
「莉世、これからも彼をしっかり支えてあげなさい」
「うん、私、頑張るよ」
「それにしても、何だか実感が沸かないわねぇ、あの人気俳優の雪蛍くんが莉世の旦那さんになるだなんて」
「全く、母さんはそればっかりだな。ところで莉世、相手のご両親への挨拶は済んでいるのか?」
「あ、その、雪蛍くんのご両親は亡くなっていて、親代わりのお祖父様は事務所の社長だから、話はしてあるよ。お祖母様にはお会いしていないから、後でご挨拶に伺う予定だけど」
「そうか……知らなかったとは言え、申し訳ない」
「いえ、お気になさらず。両親は僕が物心つく前に亡くなっているので殆ど覚えがなくて、祖父母が両親みたいなものなので」
「それじゃあ、近い内に彼のお祖父様やお祖母様にお会いしないとな」
「うん、話しておくね」
「籍はいつ頃入れる予定なの?」
「まだ詳しくは決めていませんが、僕としてはなるべく早く入籍したいと考えています」
「そう。それじゃあ式なんかも、早いのかしらねぇ?」
「式の方は、社長と話し合ってみて……という感じになるかと思います」
「そうなのね。あら、それじゃあ式には芸能関係者も来るのかしら! やだわ、どうしましょう」
「お母さんったら……もう、ミーハーなんだから」
「ごめんなさいね。でも本当、嬉しいわね、莉世が結婚なんて」
「ああ、そうだな」
私たちの結婚を心から喜んでくれたお父さんとお母さん。
笑顔の二人を前にした私は嬉しくて泣きそうになった。
「お父さん、お母さん、私、雪蛍くんとなら幸せになれるって信じてる。やり甲斐のあったマネージャー業は引退しちゃうけど、それ以上にやりたい事が見つかったの。私は雪蛍くんと幸せな家庭を築きたい。その為にも、これからは家族として、傍に居たいから……だから、お願いします、私たちの結婚を許してください」
雪蛍くんとの未来を両親に訴えかけるように伝えて頭を下げた。
「――二人共、頭を上げなさい」
お父さんの声に私と雪蛍くんはほぼ同時に顔を上げる。
「二人共、座って?」
そして、お母さんからは座るように言われた事もあって、私たちは再び腰を下ろしてお父さんの方へ視線を向けると、
「二人の想いは分かった。渋谷くんも、本気で莉世の事を想っていてくれていると知って、私は安心したよ。大切な娘だからね、ついつい意地悪な事を言ってすまなかった。君のような誠実な青年が相手で私も安心したよ――こちらこそ、娘をよろしく頼みます」
これまでの不機嫌な表情から一変、いつもの優しい表情を浮かべたお父さんが、私たちの結婚を許してくれた。
「お父さん……」
「莉世、これからも彼をしっかり支えてあげなさい」
「うん、私、頑張るよ」
「それにしても、何だか実感が沸かないわねぇ、あの人気俳優の雪蛍くんが莉世の旦那さんになるだなんて」
「全く、母さんはそればっかりだな。ところで莉世、相手のご両親への挨拶は済んでいるのか?」
「あ、その、雪蛍くんのご両親は亡くなっていて、親代わりのお祖父様は事務所の社長だから、話はしてあるよ。お祖母様にはお会いしていないから、後でご挨拶に伺う予定だけど」
「そうか……知らなかったとは言え、申し訳ない」
「いえ、お気になさらず。両親は僕が物心つく前に亡くなっているので殆ど覚えがなくて、祖父母が両親みたいなものなので」
「それじゃあ、近い内に彼のお祖父様やお祖母様にお会いしないとな」
「うん、話しておくね」
「籍はいつ頃入れる予定なの?」
「まだ詳しくは決めていませんが、僕としてはなるべく早く入籍したいと考えています」
「そう。それじゃあ式なんかも、早いのかしらねぇ?」
「式の方は、社長と話し合ってみて……という感じになるかと思います」
「そうなのね。あら、それじゃあ式には芸能関係者も来るのかしら! やだわ、どうしましょう」
「お母さんったら……もう、ミーハーなんだから」
「ごめんなさいね。でも本当、嬉しいわね、莉世が結婚なんて」
「ああ、そうだな」
私たちの結婚を心から喜んでくれたお父さんとお母さん。
笑顔の二人を前にした私は嬉しくて泣きそうになった。