ヤキモチ妬きな彼からの狂おしい程の愛情【完】
 疲れたって言っていたくせに、そんな素振りが無いくらいの激しいキス。

「……ゆき、ほ、くん……っん、はぁ……」
「疲れたから、莉世で充電」
「……こんなの、余計に疲れるよ……?」
「そんな訳ないじゃん。莉世との全てが俺の癒やし」
「……それじゃ、せめて、お風呂に入ってから……ね?」
「ふーん? 俺は別にキスだけのつもりだったんだけど……莉世はそういうつもりなんだ?」
「!!」

 ニヤニヤと笑みを浮かべた雪蛍くんがそんな事を口にするものだから私の頬は赤く染まっていく。

(絶対に嘘! キスだけなんて、そんなつもり、無いくせに……)

 抗議したい気持ちを抑え込むと、雪蛍くんと目が合った。

「――なんてね、嘘だよ。それじゃあ、風呂入るか……一緒に入る?」
「嫌、一緒に入ったら、それだけじゃ、済まないもん……」
「莉世は俺の事良く分かってるな。けど、これは強制。一緒に入らないなら、今からここでするけど、いい?」
「何それ……もう……分かったよ、一緒に入るよ……でも、のぼせちゃうと困るから……お風呂場では程々にね……」
「了解〜」

 何だかんだで雪蛍くんのペースに持っていかれてしまう。

 これから先も彼のペースに乗せられていくのだろうけど、それでも構わない。

 雪蛍くんが大好きだから、許せちゃう。

 この先もずっと一緒にいられるなら、私はそれだけで、幸せになれるから――。



 ―END―
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