拝啓、親愛なる魔王様へ【親愛なる魔王の君へ×人狼様に嫁ぎます】
深く被ったフードから見える黒い目が、ルーチェを捉える。
(……誰、だろう……?)
「だが、目を覚ますにはまだ早い。もう少し寝てな」
そう言い、フードを被った人物はルーチェに杖を向けた。小さな声で、呪文を唱える。
そして、ルーチェは深い眠りに落ちた。
場所は変わり、イヴァンたち皆の集まる館の一室。
「……ルーチェ……」
ルーチェがいなくなった後、クラルは小さくルーチェの名前を呼んだ。クラルの視線は、床に落ちたルーチェの持ている呪具に向けられている。
「……」
少しの間部屋に沈黙が訪れ、クラルは動揺しながらも頭を回転させた。
そして、少し冷静になったクラルは、未だに呪具の化身ーーいずなを抱えたままのギルバートへと視線を移す。
「ギルバート、何があったのか教えてくれない?」
クラルの問いかけに、ギルバートは「嫌だ、と言いたいところだが……」とため息をついた。
「さっき、ここに来る途中で八咫烏と会ってな。その時に、深くフードを被った人物と出会った。そいつは、急に僕と八咫烏に攻撃を仕掛けてきてな。そいつが放った魔法に八咫烏は当たって、八咫烏といずなに分かれたんだ」
ギルバートは、ここに来るまでの経緯を説明する。
(……誰、だろう……?)
「だが、目を覚ますにはまだ早い。もう少し寝てな」
そう言い、フードを被った人物はルーチェに杖を向けた。小さな声で、呪文を唱える。
そして、ルーチェは深い眠りに落ちた。
場所は変わり、イヴァンたち皆の集まる館の一室。
「……ルーチェ……」
ルーチェがいなくなった後、クラルは小さくルーチェの名前を呼んだ。クラルの視線は、床に落ちたルーチェの持ている呪具に向けられている。
「……」
少しの間部屋に沈黙が訪れ、クラルは動揺しながらも頭を回転させた。
そして、少し冷静になったクラルは、未だに呪具の化身ーーいずなを抱えたままのギルバートへと視線を移す。
「ギルバート、何があったのか教えてくれない?」
クラルの問いかけに、ギルバートは「嫌だ、と言いたいところだが……」とため息をついた。
「さっき、ここに来る途中で八咫烏と会ってな。その時に、深くフードを被った人物と出会った。そいつは、急に僕と八咫烏に攻撃を仕掛けてきてな。そいつが放った魔法に八咫烏は当たって、八咫烏といずなに分かれたんだ」
ギルバートは、ここに来るまでの経緯を説明する。