拝啓、親愛なる魔王様へ【親愛なる魔王の君へ×人狼様に嫁ぎます】
「……八咫烏といずなに分裂したのを確認して、そいつは姿を消したがな……あいつの狙いは八咫烏だったってことか?」

「それもあるだろうけど、1番の狙いはルーチェの持つ呪具の無効化、だろうね」

ギルバートの話を聞き、クロードは発言をした。その発言に、ビオラは首を傾げる。

「ルーチェの持つ呪具には、空を飛ぶ力と呪い完全耐性の2つの力が備わっている。だけど、それらは“本来の”呪具の力であり、本来の力を取り戻す前の呪具では、2つの力を使うことは不可能なんだ」

クロードはそう言いながら、床に落ちた杖を拾い上げた。そして、クロードは話しを続ける。

「相手の目的は分からないけど、ルーチェの呪具の無効化とルーチェが消えたこと。そして、異世界でモンスターが暴れている件……何か関係がある気がしてならないんだ」

「……まずは、ルーチェの居場所を探すことから始めた方がいいのかな」

クロードに続いて、クラルが発言する。

「なら、僕が捜索魔法でルーチェを探してみるよ」

杖を構えながら、イヴァンは言った。クロードは「お願いします」と頷く。

イヴァンが呪文を唱えると、イヴァンの持つ杖先に光が生まれ、その光は徐々に大きくなった。

そして、イヴァンは「ルーチェの居場所を示して!」と言う。
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