拝啓、親愛なる魔王様へ【親愛なる魔王の君へ×人狼様に嫁ぎます】
その声に反応するかのように、光の中に地図が表示され、とある場所が光った。

その場所は、アルストロメリア国の隅の方にある森の中だった。



ハルの魔法で世界を渡り、地図に表示された場所にやって来たイヴァン、ヴァイオレット、クラル、アーサー、ティム、クロード、ハル。

皆の目の前にあるのは、屋敷だ。ここに、ルーチェはいるという。

「いい?ヴァイオレット。絶対に、僕から離れたら駄目だよ?」

じっとヴァイオレットを見つめ、イヴァンは言う。ヴァイオレットは「はい」と頷いた。

「クラル、アーサーくん、ティムくん、ハルくん。無理だけはしないでよ」

クロードの言葉に、クラル、アーサー、ティムは同時に頷く。

そして、皆は屋敷の中に入った。

クラルの背中にはルーチェの呪具があり、肩には八咫烏が乗っている。その感覚に違和感を覚えつつ、クラルは屋敷の中を歩いた。

しばらく歩くと、魔法を使っていたイヴァンは「ルーチェがいるのは、この部屋みたいだね」と言う。

「イヴァンくん、ありがとう」

イヴァンにお礼を言って、クロードは部屋のドアを開けた。部屋の床にはルーチェが横たわっており、クラルは「ルーチェ!」と駆け寄る。
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