拝啓、親愛なる魔王様へ【親愛なる魔王の君へ×人狼様に嫁ぎます】

フェリシアーノが兵士に命令すると、兵士は1つ返事をして2人を連れていった。

クロードは、男性が落としていった呪具を拾う。少し考え、クロードは杖を折った。杖はクロードの力でもあっさり折れ、灰になって消えていく。

それにより呪いの効果は消え、八咫烏とルーチェの持つ呪具が元の姿に戻った。ルーチェの中にあった不安等も、スっと消えていく。

「……終わった……」

ルーチェは、そう呟いた。



あれから数日が経ち、元の世界に戻った皆はそれぞれいつもの生活に戻った。

ハルはしばらくの間イヴァンの屋敷で暮らすことになり、毎日楽しそうにしている。

ヴァイオレットは、ミモザ、リオン、アイリス、ハルとともにお喋りを楽しみ、フェリシアーノも仕事でお城に引きこもっている。

そんな中、イヴァンは紙にペンを動かしていた。フェリシアーノの提案で、クラルたちもパーティー（といっても、イヴァンの屋敷で行われる小さなものだが）に招待することになり、その手紙を書いているのである。

その手紙を書き終えたイヴァンは「来てくれるといいな」と呟いた。