拝啓、親愛なる魔王様へ【親愛なる魔王の君へ×人狼様に嫁ぎます】
「では、僕について来てください」

そう言って、ルーチェは歩き出した。



「ルーチェ様、おかえりなさいませ」

ルーチェが家の前に着くと、門番をしているリルは微笑んだ。

「ただいま。リル、僕の後ろにいる方たちも中に入れるね」

ルーチェは、イヴァンたちのことを簡潔に説明する。

「……この方たちが……初めまして。私は、門番を務めておりますリルと申します」

リルは、イヴァンたちに向かって自己紹介をした。イヴァンたちも、リルに自己紹介をする。

そして、ルーチェはイヴァンたちを連れて館の中へと入った。

ルーチェは、クラルの部下であるモンスターに教えてもらい、皆のいるクラルの父親のクロード・ディスペアの部屋へと向かう。

ルーチェがクロードの自室のドアをノックすると、中から「どうぞ」と声が聞こえてきて、ルーチェは「失礼します」と部屋の中へと入った。

「あれ、アーサーにティム……来てたんだ。それに、レオンさんにルカさん、エリカさんにカナタさんまで……」

「ルーチェ、久しぶりだな！」

「遊びに来たら、ルーチェは今いないって聞いて帰ろうかってなったんだけど……そこにルカさんが来てね。ここで待っていることにしたんだ」

「そうだったんだ……ごめんね。その時、僕がいなくて」

ティムの話を聞いてルーチェが謝ると、ティムは「いいよ。急に来た僕らも悪いんだし……」と言う。
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