拝啓、親愛なる魔王様へ【親愛なる魔王の君へ×人狼様に嫁ぎます】

「……そうだ。皆さん、お客さんが来たよ」

ルーチェは、そう言ってイヴァンたちに部屋に入るように促した。イヴァンたちが部屋に入ると、椅子に座っていたクラルは立ち上がる。

「え、何で……」

「クラル、久しぶりだね」

「皆さん、お久しぶりです」

イヴァンたちがそれぞれ挨拶をすると、皆も挨拶をした。

「……なになに？知り合い？」

「うん。前に話した、異世界の人たちだよ」

クロードの問いかけに、クラルは、そう返す。

「……え、どういうこと？話が見えないんだけど……」

「エリカさんは、知らなかったね。あの時の出来事を……」

首を傾げる、たまたま遊びに来ていた双子であるエリカ・モチヅキとカナタ・モチヅキに、ルーチェは色々と説明をした。

突如現れた本に吸い込まれて異世界に行ったこと、その先で同じく本に吸い込まれたイヴァンたちと出会ったこと、皆で協力して迷宮を脱出したことを。

エリカとカナタは、驚きのあまりか声を出せないでいる。そんな2人を見て、ルカは口を開いた。

「……そうだ。自己紹介しないと。大魔王のルカ・クロウディアです」

ルカは、ニコリと笑って自己紹介をする。

「大魔王！？」

ルカの自己紹介を聞いて、イヴァンとフェリシアーノは同時に驚きの声を上げた。

「うん。世界平和を目指すために、大魔王になったんだ。ちなみに、ルーチェの父親です」