たとえこれが、何かの罠だったとしても。

2.私の執事!?

私は今、とても緊張している。

なぜなら、すぐ横に伊吹さんがいるから。

今日のお昼のお弁当を作ろうとしたところ、伊吹さんもキッチンについてきたのだ。

「お嬢様でも、料理とかするんだな。普通は、料理人を雇うものじゃないのか?」

「家にも料理人はいるんです。ただ、料理をすることが好きなので!」

私は、小さい頃からお母さんのキッチンに立つ姿が大好きだった。

こっそりと、ドアの隙間から覗き見て。

手際よく動く手を、目で追っていた。

そのときに作っていた料理がハンバーグ。

どうしても、自分でも作ってみたくて。
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