たとえこれが、何かの罠だったとしても。
「はい、かっ飛ばせよ楓!」

バトンを受けとり走り出す。

みんな足が速く1位で繋いでくれたため、誰にも抜かれる心配がなく楽しく走れた。

そして、アンカー澤田にバトンが渡る。

最後まで1位を守り抜き、私たちのクラスが優勝した。

そしていよいよ、最後のプログラム。

障害物競走だ。

これには、櫂と鋼が出場する。

毎年、障害物を潜り抜けた先には紙が置いてあって、そのお題のものや人を借りてくる。

『好きな人』ってお題もあり、この競技でカップル誕生したこともあるらしい。

ボーッと見ていると、向こうから鋼が走ってきた。

「楓、来て!」

「え?」
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