たとえこれが、何かの罠だったとしても。
あまり一緒にはいられなかったけど…。

「私にとって料理は、数少ないお母さんとの思い出のひとつで…」

懐かしいな。もっとたくさんのメニューを、教えて貰いたかったなぁ。

「そうか。お母さんも喜んでるよ…」

ードキン

なんだろう。さっきより、胸がドキドキと痛む…。

伊吹さんの柔らかい優しい笑顔を見ていると、どこか安心するなぁ。

「ところで、そのハンバーグ焦げてないか?」

「え!あ、ほんとだ。せっかく作ったのに…」

ぼーっとしていたせいだ。もっとしっかりしないと!
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