たとえこれが、何かの罠だったとしても。
違法薬物にも手を出していると噂があり、それを知っていた俺たちは逃げ出したのだ。

あそこで何をしようとしていたのか、考えるだけで胸糞悪い。

母さんは、あいつのことを愛していた。

あいつのことで一喜一憂する母さんに苛立ちを覚えることもあった。

…でも、母さんは俺たちを愛してくれた。

愛情を持って、大切に育ててくれたんだー。

「あいつさえ捕まれば、母さんも俺たちも…」

何もかも清算し、新たな1歩を踏み出せる気がした。

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