たとえこれが、何かの罠だったとしても。

「なんでそんなに嫌がるんだ？」

「なんでもです！とにかく、絶対来ないでください！」

あれを見られたら、私の人生は終わる。

「でも、人もたくさん来るから心配なんだよ」

「っ！」

伊吹さんのこういうところ、反則だと思う。

無意識に、私のことをドキドキさせてくるんだから。

「心配しなくても、俺たちで守ります。伊吹さんも、たまにはゆっくり休まれてください」

一見、鋼が伊吹さんを労る言葉に聞こえるけど…。

少し嫌味を含んでいるような？

伊吹さんは、顔を歪ませ不機嫌そうにしている。

そしてそのまま、私たちを送り届け帰って行った。