たとえこれが、何かの罠だったとしても。
でも、その割には全然汗かいてないような…。

「そんなに私をジロジロ見るなんて、私に惚れてしまったのですか?」

「へ!?いやいや、違いますよ!?」

「慌てるお嬢様も素敵ですね」

急に執事モードになった伊吹さんにタジタジになる。

「そ、それじゃあ、私は学校の準備をしてきますね!」

恥ずかしさから逃げるように去った私には、

「くそ…。まさかこの俺が惚れるなんて…。楓の無自覚は最強だな」

なんて呟いていたことは知る由もない。
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