たとえこれが、何かの罠だったとしても。
いつも通り、私の部屋で2人で過ごしていると。

「楓、そろそろ名前で呼んでくれよ。あと、敬語もやめてくれ」

「え、でも伊吹さんは年上ですし…」

「立場的にはお嬢様と執事だろ?」

そうだけど…。

伊吹さんにタメ口なんて、一生できない気がするよ。

色気たっぷりの伊吹さんに対して、年上で子供っぽい私はクラクラしちゃう…。

「やめないとお仕置きな?」

「お、お仕置き!?い、嫌です!…あ」

「お、さっそく?楓、もしかしてお仕置期待してる?」

「ち、ちがっ!」

艶やかな笑みを浮かべた伊吹さんは、私を抱き上げベットへとおろした。

「ちょ、ちょっと!」

そして、目の前には伊吹さんの顔。

「〜っ!」

唇と唇が重なった。でも、なかなか離れずに戸惑う。
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