たとえこれが、何かの罠だったとしても。
「ねえ、ちゅーの続きは?」

「っ!ない。キスで終わりだ」

「なんで?キスだけじゃ、足りないよ…」

「…っ!ダメなものはダメ」

作戦失敗…。これがダメなら次の手だ!



「伊吹、最近疲れてない?」

「うーん。まあ、忙しいけど大丈夫だ。ありがとな」

「ちゃんと休まないとダメだよ?今日は一緒に寝よ?」

「はあ!?な、なに言って!」

伊吹にしがみつき、明かりを消す。

「おやすみなさい」

「ちょ、待て!」

伊吹が逃げないようにしがみつき、目を閉じる。

部屋も暗くなり、横には伊吹がいる。

私は眠気に襲われ、意識が遠のいていくー。

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