たとえこれが、何かの罠だったとしても。

楓サイド

「ん…」

明るい光に目を覚ますと、目の前には伊吹が。

「きゃ!」

しかも、ばっちりと目があっている。

「叫ぶなんてひどいな。昨日、楓の方から誘ってきたんだろ?」

「そ、そうだけど…。勝手に寝顔見るなんて酷いよ…」

「可愛かったよ、楓の寝顔も」

う…。

そう言ってくれるのは嬉しいけど。

「もう!伊吹!」

「ははっ。ごめんって」

…でも、改めて実感するなぁ。

今まで頑張ってきて良かった。

生きてて良かった、って。
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